ピクセルリマスター版FF1における原作&過去のリメイク版との違いを紹介―③細部の変更点
2021年7月29日(木)に発売されたSteamおよびスマートフォン用ゲーム、ファイナルファンタジー ピクセルリマスター版『ファイナルファンタジー』(スクウェア・エニックス)の紹介。
GBA・PSP版がベースだが細部に違いあり
進行・ダンジョン関連:レトロゲームゆえの不親切な部分が変更
見えない固定エンカウントが廃止へ
『FF1』は固定シンボルの代わりに、特定の地点(マス)に踏み込むことでエンカウントすることでボスキャラを表現していた。
これは今までのリメイク版でもそのままになっていたが、現在の感覚ではそもそもボスであることに気づかない可能性もあり、また同じ場所に踏み込むと何度でもエンカウントすることが問題視されたのか、ピクセルリマスター版では廃止された。
代替として、以下のいずれかの方法で対処されている。
- 宝箱を開けると「突然モンスターが現れた!」と表示されて戦闘に入る
- ローブを着た固定シンボルを配置
- クリスタルのシンボルを配置(ラストダンジョン)
この結果、アースの洞窟の強制エンカウントゾーンが罠として機能しなくなっている。
中身を共有する宝箱が廃止へ
『FF1』では、通称「四次元宝箱」「ワープ宝箱」などと呼ばれる宝箱がある。
特定の宝箱は中身を共有しており、一方の宝箱を回収すると他方の宝箱が空箱になる。
内部的には、宝箱の中身一覧が設定されており、その一覧の中で回収したものはダンジョン内のすべての宝箱で回収済みとなる。
これも不自然な仕様であったため、共有される宝箱にはすべて独立に中身が設定された。
ピクセルリマスター版では宝箱の回収率も表示されるため、その兼ね合いもあると思われる。
アイテム関連:MPの回数制への変更に伴う変更が多い
MP回復アイテムの仕様変更
GBA版以降で追加されたMP回復アイテムは「エーテル」「エーテルターボ」「エーテルドライ」「エリクサー」「ラストエリクサー」がある。
このうちエーテル系は魔法LVごとにMPを回復する仕様となった。
具体的には、「エーテル」は魔法LVごとに1回復する。
「エーテルドライ」は魔法LVごとに5回復する。
「エリクサー」は元から全回復する効果なので変更はない。
「エーテルターボ」「ラストエリクサー」は廃止された。
ショップのラインナップの変更・統一
すべての道具屋のラインナップが統一された。
販売されているアイテムは以下の通り。
- ポーション(40ギル)
- ハイポーション(150ギル)
- エーテル(150ギル)
- フェニックスの尾(500ギル)
- 毒消し(50ギル)
- 目薬(50ギル)
- やまびこ草(50ギル)
- 金の針(500ギル)
- 万能薬(1500ギル)
- 寝袋(50ギル)
- テント(160ギル)
- コテージ(2000ギル)
序盤から「ハイポーション」や「フェニックスの尾」を連発できるゲームバランスとなっている。
ただ、バトル関連の仕様変更により、特殊な縛りプレイでなければその必要はないかもしれない。
また、キャラバンでは今までのリメイク版では「ようせいのくすり」を販売していた。
最大MPを戦闘中のみ上昇させるアイテムだが、MPの仕様変更に伴い廃止された。
キャラバンで販売しているアイテムは以下の4つとなる。
- 力の薬(1000ギル)
- 巨人の薬(1000ギル)
- プロテスドリンク(1000ギル)
- スピードドリンク(1000ギル)
リメイク版追加アイテムの一部廃止
上記の「エーテルターボ」「ラストエリクサー」の他にもアイテムが一部廃止されている。
GBA以降のリメイク版の追加武器・防具はすべて廃止。
追加ダンジョンで出現するものだけでなく、敵からのアイテムドロップも削除されている。
その他、「ぎんのリンゴ」等の基礎ステータスを上昇させるアイテム、「しろいきば」などの攻撃アイテム、「ひかりのカーテン」などの防御アイテム、「くものいと」などの補助アイテムも削除されている。
この手のアイテムで残されているのは、上の節で挙げたキャラバンが販売する戦闘中のステータス上昇アイテムだけである。
「ひじょうぐち」も削除された。
テレポ・ダテレポがないとラストダンジョンから脱出するのが困難になるが、ラストダンジョンはGBA版以降に基づき歩いて出られる上に4体のカオスは復活しないので、デスアイさえ倒せれば問題はない。
バトル関連:細かい部分で遊び勝手が異なる
ドロップアイテムの一部削除
主に追加アイテムが削除されている。
ドロップアイテムが削除されたモンスターは以下の通り。
- ハイエナドン:パワーアップ
- ファイアヒドラ:あかいきば
- マリリス:きんのリンゴ
- ダークウィザード:あかいカーテン
- ドラゴンゾンビ:ラストエリクサー
- クラーケン:きくいちもんじ
- ブラックナイト:デスブリンガー
- バンパイアロード:エルメスのくつ
- デスマシーン:げんじのよろい
- パープルウォーム:ひじょうぐち
- ティアマット(過去):ルーンのつえ
なお、キティタイガーの「エクスポーション」はそのまま残っている。
エクスポーションの入手手段はキティタイガーのドロップに限られる。
石化の仕様変更
石化状態でも敵のターゲットになり、強制的にミスとなる。
また、石化状態になっても経験値が入手できる。
石化状態でも敵のターゲットとなる仕様は『FF6』などに見られる。
石化状態でも経験値が獲得できるのは、レベルが上がりにくい『FF1』の仕様に合わせたバランス調整の一環か。
縛りプレイでは、石化状態で仲間を温存するという戦法は使えなくなった。
ステータス異常の表示変更
ステータス異常のエフェクトが変更になった。
ピクセルリマスター版では『FF1』~『FF6』までを統一するというコンセプトからか『FF5』に近いエフェクトになっている。
エフェクトの変更だけだと本来あまり影響はないのだが、問題は仕様の変更なくエフェクトだけを統一した点である。
味方側で言うと、毒は今まで吹き出しの中に毒泡マークが表示されていたのが、直接毒泡マークが表示されるように変更になった。
そのため、背景によっては同化して毒になったことに気づきにくい。
敵側で言うと、眠りのエフェクトが表示されなくなった。
このため、スリプルで眠らせた時、次のターンに起きている敵を優先的にターゲットに選択するということができなくなった。
『FF5』は物理攻撃を当てるまで眠りから回復しないので問題はなかった。
また、同じく眠りのエフェクトがない『FF6』は、自動回復したときはバクが起こしに来るエフェクトがあるので判別可能である。
ファミコン版に準拠していると言えばそれまでだが、混乱は確認できるのでいささか中途半端である。
敵キャラクターの耐性変更
ボス敵に耐性が大幅に増えている。
『FF1』はボス敵に即死耐性がないものも多い。
特にティアマットは毒耐性がないどころか弱点であったため、クラウダ(レイズサーベル)で倒せることで有名である。
これは攻略法が広まった今でこそ有用だが、予備知識なしだと弱点を探さなければならないので困難である。
『FF1』の即死系の耐性には、原作だと毒(石化)・大地・死・時空の4種類あり、どれが有効なのか試すのは物理攻撃を当てて倒すのと同様の困難を伴うものである。
しかし残念ながらピクセルリマスター版ではティアマットの毒・石化弱点は削除されてしまった。
他のボスも、基本的に即死系攻撃が効かないように変更されている。
変更されたボスは以下の通り。
ザコ敵は未確認だが他にも変更されたモンスターがいるかもしれない。
リッチ
耐性:精神(沈黙・眠り・マヒ・暗闇・混乱)・毒(石化)・冷気・即死 → 大地・時空を追加
マリリス
弱点:精神(沈黙・眠り・マヒ・暗闇・混乱) → なし
耐性:毒(石化)・炎・雷 → 大地・時空・即死を追加
クラーケン
耐性:炎・大地 → 石化・毒・時空・即死を追加
ティアマット
弱点:毒(石化) → なし
耐性:炎・冷気・雷・大地 → 石化・毒・時空・即死を追加
リッチ(過去)
耐性:精神(沈黙・眠り・マヒ・暗闇・混乱)・毒(石化)・冷気・即死 → 大地・時空を追加
マリリス(過去)
耐性:毒(石化)・炎・冷気・雷 → 大地・時空・即死を追加
クラーケン(過去)
耐性:炎・大地 → 石化・毒・時空・即死を追加
ティアマット(過去)
耐性:炎・冷気・雷・大地 → 石化・毒・時空・即死を追加
ボス敵が即死系攻撃で倒れるのは現代の感覚だと奇妙に映る一方で、特にティアマットなどは浮遊城の石板が弱点を解析するなど設定ともかかわる部分であったので、この変更は非常に残念である。
FF1ピクセルリマスターの基本情報
PC版はSteamで配信中、スマホ版も各種アプリストアで
『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』はPCおよびスマートフォンでプレイできる。
PC版は大手PCゲームプラットフォーム「Steam」で配信されている。
外部ゲームパッド(コントローラー)に対応しているので、腰を据えてプレイしたいゲーマーにおすすめである。
スマホ版はApp Store、Google Play、Amazonにて配信中。
通勤・通学の空き時間を利用して気軽にプレイしたい方におすすめである。
詳細情報・権利表記
タイトル:ファイナルファンタジー
ジャンル:RPG
ストア:App Store / Google Play / Amazon / Steam
対応言語:日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、ブラジルポルトガル語、タイ語、韓国語、中国語(繁体字・簡体字)
発売:スクウェア・エニックス
発売日:2021年7月29日
Web:https://www.jp.square-enix.com/ff_pixelremaster/ff1/
『ファイナルファンタジー』
© 1987, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 2007 YOSHITAKA AMANO
『ファイナルファンタジーII』
© 1988, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 2007 YOSHITAKA AMANO
『ファイナルファンタジーIII』
© 1990, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 2006 YOSHITAKA AMANO
『ファイナルファンタジーIV』
© 1991, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 1991 YOSHITAKA AMANO
『ファイナルファンタジーV』
© 1992, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 1992 YOSHITAKA AMANO
『ファイナルファンタジーVI』
© 1994, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 1994 YOSHITAKA AMANO
「記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。」