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『クレーンゲーム攻略大全』の紹介!どんな人におすすめ?本当にプライズゲームの攻略法がわかるの?

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2020年12月16日(水)に白夜書房より発行された『クレーンゲーム攻略大全』(白夜ムック630)の紹介。

 

待望のクレーンゲーム攻略本登場!その内容を紹介!

『クレーンゲーム攻略大全』は、白夜書房から発行された書籍(ムック)である。
一般社団法人日本クレーンゲーム協会が監修している。

日本クレーンゲーム協会は、「クレーンゲーム達人検定」という検定試験を実施している団体である。
クレーンゲーム達人検定(くれ達)には3級、2級、1級があり、3級が一般プレイヤー向け、2級と1級はスタッフやインストラクター向けのものとなっている。
開催場所は、埼玉県のゲームセンター・エブリデイ(行田店/とってき屋東京本店)で行われる。

ムックの内容としては、大きく分けて「攻略法・テクニックの紹介」「プレイヤーのプレイ記録&インタビュー」「その他の読み物系記事」の3つで構成されている。
「攻略大全」を銘打っているだけあって、「テクニックの紹介」がメインであり、半分以上のページが割かれている。

「クレーンゲーム」という言葉でプライズゲーム全般を指す場合もあるが、この『クレーンゲーム攻略大全』では狭義のクレーンゲームの攻略を主眼としている。
すなわち、プライズゲームの中でも、『UFOキャッチャー』、『クレナ』、『ジェミニ』のような、アームと爪で景品を動かすタイプの機種を対象としている。
いわゆる「クレーンゲーム」と聞いて想像しやすいタイプの機種と思ってもらえればよい。
本書では「景品をつかむ」ゲーム機をクレーンゲームと定義している。

逆に「景品をつかまない」ものについては攻略の対象外である。
本書では例として「ショベル」「ギミック」が挙げられている。
「ショベル」は『スウィートランド』『カプリチオスター』のような機種、「ギミック」は『バーバーカット』『キーマスター』『テトラス』のような機種のことを指しており、そのようなゲーム機は攻略の対象外である。
この手のゲーム機はあまり劇的な攻略法がなく、正攻法で攻めるか100円玉を入れ続けるか位しかできないので、除外するのは順当ではある。
権利関係の問題か、具体的な機種名は本文中に記載されていない。

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メインとなる攻略法は?「テク12選」で紹介されているのはどんな技?

メインの記事である「攻略法・テクニックの紹介」は、細かく分けると以下の3種類の記事で構成されている。

  • ゼロからわかるクレーンゲームの基本
  • 基本テクニック12選
  • 番外編(応用テク×3)

「ゼロからわかるクレーンゲームの基本」では、クレーンゲームの各種パーツや、景品の種類、フィールドの種類などが解説されている。

「基本テクニック12選」では、以下の12種類の技が紹介されている。

  1. 雪崩
  2. ファイナルアタック
  3. 三点取り
  4. たすき掛け
  5. 真一文字
  6. すきま引っ掛け
  7. カギ穴通し
  8. 針穴通し
  9. 差し込み
  10. バウンドアプローチ
  11. 横滑り
  12. ムーンサルト

詳細は実際に本を手に取って中身を見てほしいが、熟練のクレーンゲーマーは公式の商品説明にも書かれている上記の技名を見て内容を想像できるかもしれない。
ネーミングはオリジナリティがあるが、クレーンゲームが上手いプレイヤーなら自然と身に着けている技術である。

番外編として、以下の3つの応用テクニックが紹介されている。

  • 3ボタンを使いこなそう!
  • 魅せ技:イリュージョンスピンをねらってみよう
  • 3本アームのコツ

これもプライズゲームをやり慣れている人なら既にいろいろなところで聞いたことのある技だろう。

総じて劇的な裏技が紹介されているわけではないが、基本的なテクニックは網羅的に解説されている。
そのため、クレーンゲーム好きの上級者ではなく、景品は欲しいがクレーンゲームは苦手なプレイヤー向けの記事と言えるだろう。
特に、各テクニックがどういう場合に使えてどういう場合に使えないのかの解説がイラストつきでなされている。

昨今は動画サイトで攻略動画が投稿されていることも多いが、基本的には成功したパターンを紹介するだけなので、本当の初心者にはいきなり真似できないことも多い。
YouTubeでは毎日動画を投稿するユーザーを優先的に上位表示するアルゴリズムになっており、そのため投稿者側も網羅的にテクニックを紹介するというよりも日常のプレイ風景を紹介しつつ使用したテクニックを紹介する形式になっている場合が多い。
そのため、初心者が網羅的に学ぶには理想的な紙面構成になっていると言えるだろう。

その他の記事は?YouTuberやeスポーツチームのインタビューも!?

攻略法以外にも、読み物系の記事が何本か掲載されている。

1つ目はUUUM所属のユーチューバー、「さとちん」が登場する記事である。

www.youtube.com

まずはプロの五十嵐直也とさとちんの対決。
結果については本誌を見てほしいが、さすがにこれについては紙媒体だけでは臨場感が全く伝わらない部分がある。
一応、QRコードが掲載されており、YouTubeで対決の様子が見られるためその点ではフォローされていると言える。
ただ、逆に言うと動画を見れば十分である感は否めない。そのためか紙面での扱いも軽めになっている。

その他、さとちんのクレーンゲームについてのインタビューやおすすめの攻略法紹介もなされている。

2つ目はeスポーツチーム「ゼロイチゲーム部」のチャレンジ企画。

ゼロイチゲーム部は、芸能事務所「01familia」に所属するタレント、霜月めあ、月野もも、池田ショコラで構成されるチームである。
「世界一弱いゲーム部」を自称しており、YouTubeにドキュメンタリー形式で活動が紹介されている。
突然事務所に呼び出されたメンバーが、eスポーツの試合で勝利することを目標に活動している。

www.youtube.com

こちらも紙媒体の限界が感じられ、QRコードを読み込んで動画を見ないとイマイチ雰囲気が伝わりづらい。
インタビュー記事を読み物として読む感じがちょうどいいだろう。

インタビュー以外の記事としては、クレーンゲームをプレイしていて疑問に思うことのQ&Aなども掲載されている。
こちらは「へぇ~」と思うこともある反面、やはり熟練のクレーンゲーマーにとっては常識である部分も多く、初心者向けといった感じである。

クレーンゲーム攻略大全はどんな人におすすめ?

前述の通り、本書『クレーンゲーム攻略大全』は、クレーンゲーム初心者におすすめできる本だと言えるだろう。

クレーンゲームの攻略動画はYouTubeなどでも多く投稿されているが、そのような動画はチャンネル登録をして継続的に観てもらうことが前提となっている。
そのため、クレーンゲームについて前提知識のない初心者が「攻略する」という段階に到達するにはもってこいの紙面構成である。
特に、成功するパターンと失敗するパターンがイラスト付きで紹介されている点は紙媒体のメリットと言えるだろう。

逆に言うと、既にクレーンゲームをやり込んでいる熟練のプレイヤーからするとかなり物足りない出来である。
「攻略本」と銘打っている以上は当たり前のことではあるが、商品説明にも書かれている「すきま引っ掛け」「3ボタン」「イリュージョンスピン」という文字を見て内容が想像できるような人には無用の長物と言えるだろう。

一応、読み物としてインタビュー記事も掲載されているが、さとちんやゼロイチゲーム部のファンでもない限りは、それだけを目当てに買うほどの分量ではないと言える。
やはり今までゲームセンターの養分となっていた初心者が、まず基礎知識を身に着けるのに適した本であると言える。
この本で基本的な知識を身に着けた後に、より実戦的な攻略動画を見てスキルを向上させていくのがよいだろう。

 

クレーンゲーム攻略大全 (白夜ムック630)